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令和ロマンの0.1%の奇跡を解読せよ!M-1グランプリに刻まれた数学的偉業

2024年12月22日、M-1グランプリ2024にて、令和ロマンがM-1グランプリ史上初の2連覇を達成しました!

しかも、2年連続でトップバッターを務めるという偉業も成し遂げました。まさにM-1の歴史に名を刻む偉業と言えるでしょう。

本稿では、令和ロマンの偉業を数学的に分析し、その確率がどれほど驚異的なものなのかを検証していきます。

過去のM-1グランプリのデータに基づき、様々な角度から統計をとり、令和ロマンの優勝、そして2年連続トップバッターという快挙の確率に迫ります。

目次

過去のM-1グランプリにおける出場順と優勝の関係

M-1グランプリは、出場順が「笑神籤(えみくじ)」によって決定されます。

この笑神籤は、決勝進出者10組がくじを引き、その順番にネタを披露するというシステムです。

出場順によって、観客や審査員の印象が変わる可能性も考えられますが、基本的には運任せで決まるため、出場順と優勝の間に直接的な関係はないと考えられます。

しかし、過去のデータから傾向を探ることは可能です。

過去のM-1グランプリ優勝者の出場順

過去のM-1グランプリの優勝者が何番目に出場していたかをまとめると、以下のようになります。

優勝者決勝戦の出場順
2001中川家1番目
2002ますだおかだ2番目
2003フットボールアワー7番目
2004アンタッチャブル8番目
2005ブラックマヨネーズ5番目
2006チュートリアル6番目
2007サンドウィッチマン9番目
2008NON STYLE7番目
2009パンクブーブー8番目
2010笑い飯6番目
2015トレンディエンジェル9番目
2016銀シャリ4番目
2017とろサーモン3番目
2018霜降り明星9番目
2019ミルクボーイ7番目
2020マヂカルラブリー6番目
2021錦鯉8番目
2022ウエストランド10番目
2023令和ロマン1番目
2024令和ロマン1番目

出場順から見えてくる傾向

過去の優勝者の出場順を分析すると、以下の傾向が見えてきます。

  • 優勝者の出場順は、後半に集中している傾向がある
  • 前半(1~5番目)の優勝者数は7組、後半(6~10番目)は13組となっており、後半の方が優勝しやすい傾向が見られます。
  • 特に、6~9番目は優勝者が多く出ている
  • 6番目:3組、7番目:3組、8番目:3組、9番目:3組

トップバッターの呪い🧐

長らくM-1ではトップバッターは不利だと言われてきました。

実際、第5回(2005年)の笑い飯以来、トップバッターからの最終決戦進出者はいませんでした。
このことから、「トップバッターの呪い」というジンクスが出来上がっていたほどです。

2023年に令和ロマンがこのジンクスを打ち破るまでに、実に18年(14回分)かかったわけです。
また、一般に「トップバッターは、後に出るコンビが“先の得点”を参考にネタを調整できるため不利」と述べられています。

  • 確かに、後続組が笑いどころを微調整しやすい、あるいは審査員が後半に行くほど“ノリ”や“相対評価”で高得点をつけがちという心理的な面は否定しきれません。
  • 一方で「トップバッターは新鮮な印象で観てもらえる」といった利点を挙げる方もいます。

実際のところ、データを大雑把に見ると後半の優勝者が多い傾向は出ていますが、それがイコール“トップバッターは絶対不利”とは言い切れません。
しかし確率論的には決して楽ではないチャレンジであることは間違いないでしょう。

2年連続トップバッターで優勝する確率

M-1グランプリの出場順は笑神籤で決定されるため、2年連続でトップバッターになる確率は、単純計算で以下のようになります。

  • 2年連続トップバッターになる確率 = (1/10) × (1/10) = 1/100 = 1%

さらに、2023年までのデータでトップバッターが優勝する確率を考慮すると、その確率はさらに低くなります。

過去のM-1グランプリでトップバッターが優勝したケースは、2001年の初回の中川家と、2023年の令和ロマンの2回のみです。 つまり、19回開催されたM-1グランプリで、トップバッターが優勝した確率は約10.5%(2/19)となります。

この確率を考慮すると、2年連続でトップバッターを務め、かつ優勝する確率は、

  • 2年連続トップバッターで優勝する確率 = (1/100) × (2/19) = 約0.105%

この計算から、令和ロマンの偉業は「約1000回に1回の快挙」であることがわかります。

本来であれば、1000回大会を開催して1回起こるかどうかという確率の出来事を、たった20回の開催で引き当てたことになります。
これによって、令和ロマンの偉業がいかに特別なものかが、より伝わるのではないでしょうか。

M-1グランプリにおける吉本興業の占有率をチェック!📊

M-1グランプリは、吉本興業所属の芸人が多く活躍していることでも知られています。

過去の大会を振り返ると、決勝進出者、そして優勝者における吉本興業所属者の割合は、非常に高い傾向にあります。

決勝進出者における吉本興業所属者の割合

M-1グランプリの決勝進出者における吉本興業の割合を表にまとめてみました。

開催年吉本興業所属者割合
200180%
200270%
200380%
200470%
200578%
200689%
200778%
200878%
200989%
201089%
201570%
201680%
201790%
201878%
201970%
202080%
202160%
202260%
202367%
202470%

優勝者に占める吉本興業所属者の割合

M-1グランプリは2024年までに計20回開催されました。そのうち、吉本興業所属のコンビが優勝したのは15回であり、実に75%を占めています。吉本興業以外の事務所所属のコンビが優勝したのは、わずか5回のみです。

これらのデータからも、M-1グランプリにおいて吉本興業所属の芸人がいかに高い確率で優勝しているかが分かります。

吉本興業所属芸人の優勝確率は、他事務所所属芸人より何倍高いのか?

吉本興業所属芸人が優勝する確率が、他事務所所属芸人より何倍高いかを計算してみましょう。

  • 吉本興業所属芸人の優勝確率: 15回 / 20回 = 0.75
  • 吉本興業以外所属芸人の優勝確率: 5回 / 20回 = 0.25

よって、吉本興業所属芸人が優勝する確率は、他事務所所属芸人の 3倍 (0.75 / 0.25 = 3) 高いということになります。

ただし、ここには「吉本勢が全体の出場数・決勝進出数で大半を占める」という背景もあるため、単に吉本興業が優遇されているというより、業界最大のプロダクションとしての蓄積やトーナメントへの投入人数など、構造的な影響もかなり大きいのは間違いありません。

0.1%の“凄さ”を体感するには?

検証の結果、トップバッター2年連続かつ連覇の確率は約0.1%とでました。

この確率がいかに凄いことか、他の例で考えてみましょう。

・コインを10回投げて、10回連続で裏が出る確率

・2人でじゃんけんをして、片方が10回連続で勝つ確率

・人生で1枚だけナンバーズ3を買って、いきなりストレート(1等)を引き当てる確率

ちょっと何言っているかよく分からない例えですが、凄い確率であることは体感いただけるのではないでしょうか。

数字が語る令和ロマンの偉業💫

2023年から2024年にかけて、自身が持つトップバッターの歴代最高平均点を大幅に更新した(92.57点→94.44点)ことからも、実力+運+さらなる伸びしろが噛み合った結果として、彼らは“2年連続トップバッター優勝”というとんでもないミラクルを掴んだわけです。

今後への期待✨

もし次回(2025年)のM-1でも、令和ロマンが“三連覇”+“またトップバッター!?”などという事態になったら、確率論的には益々“天文学的”数字へと突入します。

果たしてそんな未来は訪れるのか?

数字好きとしては、ありえないほど低い確率ほど逆に見てみたくなるもの。

今後の展開にも目が離せませんね。

まとめ──数字が紡ぐドラマこそM-1の真髄

令和ロマンがM-1グランプリ2024で達成した2連覇、そして2年連続トップバッター優勝は、M-1の歴史において極めて稀な出来事と言えるでしょう。
2年連続でトップバッターを務め、なおかつ優勝する確率は約0.1%。まさに奇跡的な快挙です。

そもそも、2024年のM-1エントリー総数10,330組の頂点に立つこと自体が、想像を超える高みであると言えます。

今回の令和ロマンのドラマチックな優勝は、彼らの圧倒的な実力はもちろんのこと、運も味方した結果でしょう。しかし、「運も実力のうち」。2年連続でトップバッターというプレッシャーをはねのけ、観客と審査員を魅了した彼らの漫才は、まさに「M-1史上最強」と呼ぶにふさわしいものでした。

M-1グランプリは、漫才という“感性”が大きく影響する世界ですが、こうして数字や確率論の視点で読み解くと、また違った奥行きが見えてくるのが面白いところです。
「確率的には無理ゲー」に挑む芸人たちこそが、名勝負を生み出し、奇跡のドラマを演出する──そんな醍醐味を感じますよね。

令和ロマンの偉業は、データ的に見れば「宝くじ級の快挙」ですが、彼らが積み重ねてきた努力と実力があってこそ、その“運”を引き寄せたのだと思います。
数字に裏付けられたドラマは、人々の心を熱くし、これからのM-1グランプリがますます目の離せないイベントになっていくことは間違いありません。

これからも、“数学の眼”を片手に、熱い漫才バトルを楽しんでいきましょう!

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