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身近な物理の法則:エレベーターの仕組みを徹底解剖!

こんにちは、まなびやです。
今回は、私たちの生活に欠かせない移動手段となったエレベーターの仕組みを、物理の視点からわかりやすく掘り下げてみたいと思います。
都会の高層ビルで当たり前のように乗っているあの箱が、一体どうやって上下移動しているのか?
読み終わる頃には、「へぇ、エレベーターってこんな風に動いてたんだ!」と人に話したくなる雑学もきっと見つかりますよ。

目次

1. エレベーターとは? 簡単なおさらい

1-1. 「上下に動く箱」以上のすごさ

エレベーターは建物の高層化を可能にし、私たちの暮らしをぐっと便利にしてくれた乗り物です。

かつては階段で上がり下りするしかなかった高いビルも、今やエレベーターがあれば何十階でもあっという間。

まさに、都市開発とエレベーター技術は切っても切れない関係にあるといえます。

1-2. どんな原理で動いている?

端的に言えば、エレベーターは滑車やモーターを活用して垂直に移動する仕組みです。

多くの場合、カゴ(キャビン)とカウンターウェイト(おもり)がワイヤーロープで結ばれ、モーターで上げ下げします。

これによって、モーターがカゴとおもり両方の重さを持ち上げる負担を軽減できるのです。


2. 物理の視点から見るエレベーター

2-1. 「カウンターウェイト」の役割

エレベーターには必ずと言っていいほど「カウンターウェイト(おもり)」がついています。

これには大きく2つの狙いが。

  1. エネルギー効率:カゴが上がるとおもりが下がり、カゴが下がるとおもりが上がる。重さがバランスするため、モーターが必要とするエネルギーが少なくて済む。
  2. 負荷軽減:カゴの重量と乗客の総重量を、ちょうどいい程度にバランスさせることで、ワイヤーに過度の負担がかからないようにしている。

具体的な数値

カウンターウェイトの重さは、カゴの自重+定員の半分程度になるように設計されるケースが多いです。

例えば、カゴ(自重500kg)+定員8名(1人あたり平均65kgとすると520kg)の想定で合計約1020kg。

この半分=510kgほどをカウンターウェイトに設定すれば、おおむねバランスを取りやすいわけですね。

2-2. 「加速・減速」の感覚

エレベーターが動き出す瞬間、身体がふわっとしたり、重く感じたりすることありますよね。

これは加速度によるもの。

静止状態から上昇を始めるときは、床が私たちを押し上げる力が“重力+加速度”分となり、体が重く感じられます。

逆に下降時に減速するときには、浮くような感覚を味わいます。

3. 制御技術が支える「安全神話」

エレベーターの歴史で特筆すべきはエリシャ・グレーブス・オーチスが発明した安全装置。1850年代、ニューヨークの展示会で「もしロープが切れても、この装置で途中で止まるから落ちないよ!」と実演した話は有名です。これがエレベーターの安全性を飛躍的に高め、ビルの高層化に一役買うきっかけとなりました。

3-1. フォールディング・ゲートやブレーキシステム

現代では、ロープが切れたりモーターにトラブルがあった場合でも、自動的にレールにブレーキがかかる機構が標準化されています。

また、エレベーターの動作を制御するコンピュータが、過度の加速度や速度超過を感知すると即座に緊急停止させるなど、複数の安全装置が搭載。

3-2. ドアのセンサー技術

ドアが閉まるとき、人や物が挟まらないように光センサーや赤外線センサーが設置されています。

挟まりそうになると即座に検知してドアを再度開く仕組みができています。

今や当たり前ですが、こうしたセンサー技術が日々の安全を守っているわけです。

4. 諸外国のエレベーター事情

4-1. 超高層ビルが建ち並ぶ国々

アラブ首長国連邦のドバイ、アジアのシンガポールや香港など、ビルの高層化が激しい地域では超高速エレベーターが導入されています。

時速60km/h(秒速約17m)を超えるものまで!

高層階への移動がもはや小さな“旅”のように感じられることも。

具体例:

  • 台北101(台湾):エレベーターは約16.8m/sという猛スピードで上昇。
  • 上海タワー(中国):ギネス記録級の速度30.7mph(約74 km/h)を誇るエレベーターも。

4-2. 地下鉄やビル以外での活用

ヨーロッパの古い建造物の中には、狭いスペースに後付けエレベーターが設置されているケースも。

観光地の古城ホテルなんかに泊まると、細い塔の内部にびっくりするほど小さなキャビンが鎮座していたり。

日本のビルほど大容量ではないですが、歴史的建造物を活用し続けるための工夫として重宝されている例も多いです。

5. エレベーターを巡るデータ

  • 国内設置数
    国土交通省によると、日本国内のエレベーター設置台数は約74万台(2020年代時点)と言われています。都市部を中心に今も増加傾向。
  • 年間点検・維持管理費
    一般的に、エレベーター1台あたりの年間維持費(定期点検や部品交換など)は数十万円〜百万円以上になることも。これがビルの管理費の一部を占めているというわけです。
  • エレベーターの期待寿命
    メーカーや使用条件にもよりますが、20〜30年ほどと言われることが多いですね。建物の耐用年数より若干短いので、中途でリニューアル工事が組まれることも。

6. ちょっと面白い“エレベーター雑学”

  1. 閉じるボタンは気休め?
    場合によってはエレベーターの“閉じる”ボタンが実際には動作していない(無効化されている)こともあるそうです。
    北米や欧州では「乗客がドアを挟むリスクを避けるため」などの理由で設定上OFFになっているケースが。押しても意味ないと知るとショックかも?
  2. “エレベーター・ピッチ”
    アメリカなどでビジネス用語として使われる「エレベーター・ピッチ」は、「短いエレベーター移動の時間だけでできる営業トーク」のこと。
    30秒〜1分程度で自社の魅力を伝える話術を指します。
    エレベーターは、ビジネスマンの“プレゼン時間の目安”にも使われてるんですね。
  3. 世界初の公共エレベーターは…?
    1857年、ニューヨークのE.V.ホートン社が百貨店向けに設置したのが世界初の常設実用エレベーターとされているとか。
    オーチスによる安全装置の実演があったからこそ、こうした商業施設への普及に弾みがついたというエピソードも有名です。
  4. 1日1回の移動時間は意外と長い?
    都会の高層ビルで働く人は、一日にエレベーターに乗る時間が合計10分以上という場合も。
    数十階を移動するとなると待ち時間も含め、それなりの時間を“箱の中”で過ごすのが現代人の生活かもしれません。

7. まとめ:エレベーターが支える現代の垂直移動

エレベーターは、ただ上下するだけの乗り物ではなく、物理学・機械工学・安全制御・都市開発など、さまざまな要素が絡み合って生まれた複合的な成果物。

身近にありすぎて意識しないかもしれませんが、その裏には深い知恵と進化の歴史が詰まっているんです。

  • カウンターウェイトで省エネ化し、
  • センサーやブレーキシステムで安全を確保し、
  • 超高層ビルに対応できる高速化が進み、
  • 世界中で都市の“縦の移動”を支えている。

次回、エレベーターに乗るときは「モーターとカウンターウェイトがこんなふうに動いてるのか…」と想像してみてください。

そして、もし友達に「エレベーターって何であんな重いモノを楽々上げ下げできるんだろう?」と聞かれたら、ぜひこの記事で得たトリビアを披露してみましょう。

ちょっとした豆知識でも、エレベーターという空間が一気に面白く感じられるはずです。

それでは今日も安全かつ快適なエレベーターライフを!

一般社団法人日本エレベータ協会HPより引用:https://www.n-elekyo.or.jp/encyclopedia/mechanism/elevator.html

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